第2098回例会
第2098回例会 (2017年6月5日)
出村 知佳子 会長
「プロジェクトの育て方」
今回はこの場をお借りしまして、これまで国際奉仕の活動に関わらせて頂きました活動について、おこがましいかもしれませんが、これまで感じてきたことをお伝えさせて頂き、「プロジェクトの育て方」というテーマでお話をさせて頂ければ幸いです。
15年程前になりますが、初めて奉仕活動のお手伝いをさせて頂きました。その当時は中古の救急車や消防車や医療機器等を現地に寄贈する「モノの支援」が中心でした。現地集落では当時電気も通らず、飲料水も確保できていない状況で、子供達は学校でも水を飲めない状況でした。そんなことから、「水・トイレの支援」を始めることとなり、タイ東北部、タイ北部、インドネシア・ジョグジャカルタ等で水支援のお手伝いをさせて頂きました。
タイ東北部では水質が非常に悪く、雨水や地下水を浄化する装置を学校に設置していく、クリーンウォーターシステムの設置、インドネシアでは高井戸式井戸による水を浄化する浄水装置の設置、タイ北部等の山岳地では洪水や鉄砲水を防ぎ、治水力を高め水を確保する為の堰(チェックダム)や貯水用ダム、森林を守り治水力を高める為の植樹が一番必要とされる水事業でした。
このように、それぞれの場所、環境によりそれぞれ必要とされる水事業の形があることを学ばせて頂きました。
またそのような中で経済発展が進み、その裏側では格差による貧困地区での子供達の教育環境、生活環境の悪化があり、基本的教育を支える図書館事業等や、青少年に手に職や技術を身に付けて頂き将来自立できるよう支援して行く「教育支援」がとても大切となっていると感じます。
現地では先生が転勤で変わるとなかなか事業が進まなくなる、といったことも時にはあり、現地で携わる方々、リーダーによって大きく事業の行く末も左右されます。非常に時間がかかり根気のいる事業となりますが、現地のやり方を尊重しながら、良く話し合いながら、現地のロータリアンには毎週毎週頻繁に対象校を訪れて頂くことを常に御願いしながら、見守っていくことが非常に大事だと感じ、最も大事な事業なのではないかと思い始めました。
そんな中で今回訪れた小学校で、子供達とロータリアンがペアになっての植樹を行い、「支援の木」という名前の木を植えてみました。その後は子供達が水をやったり囲いをしたり木の世話をしてくれている写真が送られてきました。これも環境教育という意味でとても大事な事業になったことを感じました。
また、余談ですが、この植樹の際に蟻にさされてしまい痛かったので、次回は蟻対策をして臨みたいと思います。本日はこのような機会を頂き、本当にありがとうございました。