第2099回例会

第2099回例会 (2017年6月12日)


林 里紅 会員
「King of dog sports from Alaska」

 こんにちは林里紅です。本日は貴重なお時間を頂きまして誠にありがとうございます。2005年犬ぞり世界チャンピオンとして、今日はアラスカのお話、犬ぞりのお話をさせて頂きます。
 まずは簡単にアラスカのご紹介をさせて頂きます。アラスカは実は日本から1番近いアメリカ、日本から直行便ですとたった6時間半で着いてしまいます。犬ぞりはそんなアラスカの「州技」です。どんな環境で世界の犬ぞりが行われているのかご紹介致します。
 人口68万人のアラスカは、日本の約4倍の広さを持つアメリカ合衆国第49番目の州です。主な産業は石油、観光、水産、そして軍隊です。アラスカ最北端のプルドーベイでは今でも石油が掘られ、トランス・アラスカ・パイプライン・システムによってバルディーズという港町まで運ばれております。(全長は1,280km、世界で2番目に長い建造物で、1番長いのは万里の長城です)
 今でも電気は自家発電、水は井戸水で生活している人が沢山おります。野生動物も多く住み、グリズリーベア、オオカミ、ムース、カリブーなどをよく見かけます。夏にはサーモンのフィッシングが盛んで、キングサーモンを釣って食料とします。ハンティングで獲た動物のお肉は食べ、毛皮も捨てずに防寒具として利用します。
 四季があり、夏は+35度以上、冬は氷点下40度を下回ります。そして、アラスカを代表するものは何と言ってもオーロラです。英語ではノーザンライトと呼びます。
 そんなアラスカの州技でもあります犬ぞり。毎年カナダ、ヨーロッパなどから各国のチャンピオンが集まり、世界一はアラスカで決まります。レースは全て賞金レースです。
 犬ぞりには種類があり、大きく分けて短距離、中距離、長距離に分かれております。私は長年短距離の選手としてレースに出ておりましたが、1日30km~50kmを3日間走るタイムレースで勝敗が決まります。冬になるとアラスカ各地でレースが行われ、その模様はテレビやラジオで生中継されます。犬ぞりは今でもギャンブルとしても楽しまれております。
 犬ぞりのレーサーたちは、犬の繁殖、飼育管理、トレーニング、栄養学、獣医学まで全て行い、『心を持つ犬たちの痒いところに手が届くレーサーが勝てる』と言われております。実際にレースで使うそりのディスプレイを見て頂き、レーサーの7つ道具、ビーバーのミットやムチを見て頂きます。
 世界チャンピオンにまでなった私のこれからの仕事としては、今後この日本でも犬ぞりの発展普及に努め、札幌冬季オリンピックが実現すれば、是非、公開競技として犬ぞりを走らせることが出来たら嬉しいです。
 最後に“North to the future”アラスカ州のモットーです。この北海道、札幌そして札幌北ロータリークラブにピッタリのモットーですね!
 本日はご清聴ありがとうございました。

<卓話の後、一問一答>
Q:レースには男女別などの区別はありますか?
A:ありません。が、年に1度女性レーサーだけのレースがあります。
Q:犬の頭数は決まっていますか?
A:2頭引きから4頭、6頭・・・とあり、犬ぞりの頂点にあるクラスは頭数無制限クラスです。
Q:スピードはどのくらい出ますか?
A:トップスピードで45~50kmほどです。女性のレーサーだと14頭くらいで、男性だと22頭くらいでそのスピードになります。