第2273回例会
第2273回例会(2022年10月24日)
「米山記念奨学事業と米山奨学生に対する危機管理」
国際ロータリー第2510地区 米山記念奨学・学友委員会 委員長
入井 浩樹 氏 卓話
皆さん改めまして、米山記念奨学・学友委員会委員長を仰せつかっております、滝川ロータリークラブ所属の入井で御座います。本日はお招きを頂き誠にありがとうございます。今日のお話は米山記念奨学事業の若干のご説明と米山奨学生に対する危機管理のご説明をさせて頂きたいと思います。また、米山奨学事業については、米山豆辞典に細かく、分かりやすく記載いされておりますのでお手すきの時間にご一読頂ければと思います。
・日本のロータリアンの夢
もう皆様はご存じかと思いますが、ロータリー米山記念奨学事業の始まりを振り返ってみたいと思います。
日本のロータリーの父と呼ばれる米山梅吉氏が亡くなったあと、その偉業を記念し、後世に残るような有益な事業を立ち上げたい、という思いから1952年、東京RCが始めたものです。当初は、アジアから優秀な学生を招いて勉学を支援するもので、「米山基金」という名前でした。そこには、二度と戦争の悲劇を繰り返さないために、国際親善と世界平和に寄与したい、という当時のロータリアンたちの強い願望がありました。それこそがロータリアンの夢だったと思います。その後、財団法人化を経て、1999年から全ての国と地域の留学生が採用対象になりました。 ★豆辞典P1-4に対応
ロータリー米山記念奨学事業は、始まりから一貫して、日本で学ぶ優秀な外国人留学生を対象としています。これまで、2022学年度採用者を含めて、129の国と地域の留学生が米山奨学生になりました。
米山奨学事業は、日本のロータリー独自の活動として作られ、発展してきました。このため、国際ロータリーとは一線を画す状況が続いていたそうです。そうした関係が次第に変化してきたのは2000年に入ってからだそうです。2004年11月のRI理事会では、「奨学金の授与を通し、世界理解と平和に貢献されている財団法人ロータリー米山記念奨学会を称賛する」とされ、ロータリー米山記念奨学会が「多地区合同活動」の手続きを取ることにより、ロータリーの名称やロータリーのロゴマークを今後も引き続き使用することを認める、ということが決議されたそうです。
米山奨学事業の最大の特長は、「世話クラブとカウンセラー制度」です。毎月1回以上、奨学生が例会に出席し、地区行事も含めたロータリー活動に参加し、奨学金を受け取るだけではない「顔の見える交流」を行うためにカウンセラー様は日本でのお父さん、お母さん的な役割が重要になって来ます。
米山記念奨学事業の使命は、「将来、日本と世界とを結ぶ【懸け橋】となって国際社会で活躍し、ロータリー運動の良き理解者となる人材を育成すること」です。
次に、当地区の2022学年度米山奨学生数をご紹介いたします。
2021学年度(大日向年度)からの継続奨学生9名、2022学年度(石丸年度)の新規奨学生8名、合計17名ですが、9月卒業が1名と、残念ながら自主退学1名で現在15名です。国別では、中国内モンゴル1名、マレーシア1名、ベトナム2名、モンゴル1名、タイ1名、スウェーデン1名、韓国1名、中国7名で御座います。
2023年度(松浦年度)は、2022学年度からの継続奨学生は4名、2023年度新規採用奨学生は13名、合計17名となっております。
ここで奨学生数の決定から選考、そして世話クラブ決定までのスケジュールを見てみましょう。
6月:奨学会で地区割当数を決める
・地区米山選考委員会は指定校を毎年選定する。
・学校説明会を開催し要望を伝え米山奨学生にふさわしい留学生を推薦してもらえるよう努める。
7月:指定校と被推薦者数を決める
8月:募集スタート
・米山記念奨学会ホームページで指定校、募集要項を発表
11月:面接官オリエンテーション *今年は11月3日ガバナー事務所横の貸会議室にて
12月:書類選考と面接試験、12月末に合否の発表 *12月11日ロイトン札幌
1月:世話クラブ選考
3月:奨学生終了式、カンセラーへの感謝状授与式
4月:奨学生オリエンテーション カウンセラー研修
このスケジュールはごくごく一部でございます。当委員会は1年間、12ヶ月、何かしらの活動がございます。
・奨学生の危機管理について
<事例① 写真のHP掲載の問題>
・2018年11月、2014年度奨学生の女性から自分の名前をネットで調べていたら、数年前卓話したクラブのHPに家族の紹介や研究内容などのパワーポイント資料が週報として写真を交えて掲載されており、削除するよう要望があった。プライバシーに敏感な奨学生・学友もいる。
→卓話承諾書にサイン
「卓話の内容や写真を週報やホームページ等へ掲載する場合、必ず奨学生の許可を得てください」
※承諾書のフォーマットは各クラブで作成をお願い致します。
・米山記念奨学制度の諸問題について
■日本の若者を支援しないのですか?
経済的に貧しく進学できない人もいますよ!
経済的に貧しい日本人は対象になりませんか?
東京RCが設立した、アジア諸国からの優秀な学生を日本に招き勉学を支援する「米山基金」の構想理念、そして1967年の財団法人設立趣意書に基づき一貫して外国人留学生を対象としています。2015年3月の常務理事会でもこの方針を改めて確認されました。東日本大震災遺児を支援する「ロータリー希望の風奨学金」グローバル補助金や地区補助金よる奨学金で日本人学生を支援することが可能です。