第2184回例会
第2184回例会(2019年8月26日)
「ロータリーの原点と会員増強」
国際ロータリー第 2510 地区 直前ガバナー
小山 司 氏(札幌 RC)
国際ロータリーは、毎年8月を会員増強・・新クラブ結成推進月間としています。
最新の情報によると、日本のクラブ数は2,262クラブ、会員数は89,733名となっています(2019年6月14日現在)。
会員数において、日本は1997年をピークとして、1998年以降現在まで減少の一途をたどっています。
2000年の会員数を100とすると、現在、世界全体では103~104。日本は他の先進国と同様、70くらいのレベルで推移しています。
途上国での会員数の増加が先進国の会員数の減少を補い、かろうじて120万人前後を維持しているのが現状です。
会員増強は国際ロータリーの当面する大きな課題の一つと言えます。
卓話では、ロータリー創設の原点に立ち返り、会員増強の在り方について私見を述べることとします。
ポール・ハリスの自伝『MyRoadToRotary(ロータリーへの道)』は、ロータリーを知るための必読の書とされています。
その中で、祖父母の愛を一身に受けて育ったバーモントの町での少年時代を懐かしみ、ロータリーを作ろうと思った経緯が語られています。
つまりロータリー創設の原点は本当に心から何でも話し合える友人を作ることであり、言い換えれば、会員同士の友情にあったのだと言えます。
日本では昔からよく、ロータリーの原点は「親睦と奉仕」だと言われています。実際、ロータリーの2本の柱として、親睦と奉仕を挙げるロータリアンはたくさんいます。親睦が失われれば、クラブは崩壊し、もはや奉仕どころではなくなってしまいます。
ロータリーで言う親睦は、英語ではFellowshipとなっています。日本語で「親睦」と言えば、いわゆる宴会やゴルフや旅行など親睦活動を指すことが多いわけですが、辞書によれば、Fellowshipとは、「何かを一緒に行う、または利害を分け合う人々の行いで生まれる友情の感情、仲間意識、連帯感」という意味になります。
つまり、ロータリーの親睦とは、ロータリー運動を志す仲間の連帯、友情ということになります。
ともに奉仕活動を実践する中で形成される友情と仲間意識、それがさらに充実した奉仕活動の発展を生み、より充実した達成感、友情、仲間意識につながるという好循環、ひいてはクラブを活性化し、会員増強という当面する課題を解決する大きな力になることが期待されます。
私は、前年度のガバナー就任にあたって、松尾芭蕉の「不易流行」を引用し、「不易の理を忘れずして、流行の変を渉る」と読み換え、ロータリーの「不易」に「親睦と奉仕」をあてて、両者を車の両輪としてそのバランスを取ることの重要性を強調させていただきました。その一部を引用させていただき、卓話を終えることとします。
ご清聴ありがとうございました。