第2292回
第2292回例会(2023年5月15日)
「感謝の心、ありがとう」
小林 博 会員
日本人は「ありがとう」という言葉を発することはほとんどありません。 海外ではドアをちょっと開けてあげただけでも「ありがとう」といって軽くウインクをされるくらいです。 逆に日本では?
海外の人からみる 「日本人はなんと不躾で、無愛想で、また礼儀知らず」 と思われているかも知れません。
「ありがとうが聞こえない!」。 今年3月31日付けの朝日新聞の大きな記事がありました。 後進に道を譲った世界のトヨタの豊田章男社長が「日本を愛して経営してきたが、心が折れてしまいそうだった。ここ日本では、私たちに対してありがとうの言葉が聞こえてくることはほとんどありません」。
「ところが海外では自動車産業がその地域の成長に貢献していることに、ものすごく感謝されます。 これからも頼みますといわれれば、 本当に嬉しくなります。 しかし日本でこうした思いになれたことはありません」。 「だったら、トヨタの努力を本当に喜んでくれて一緒に取り組んでくれる国の人達と一緒にやる方が、 双方に幸せなんじゃないだろうかという気持ちになる」 というのでした。
具体的には
1) この世に生を受けたことへの感謝
2) 健康に生かしていただけることへの感謝
3) ロータリアンとして生きることへの感謝
4) 親切にされたことへの感謝
5)なんらかの利益を与えてくれたことへの感謝
6) 奉仕活動で喜ぶ相手をみて、こちらこそ大きな喜びを覚えることへの感謝
日本人は心のなかで 「ありがとう」と思っても「口に出さないだけです」との言い訳も出来ます。 しかしここはやはり相手にわかっていただけるように「心の底から」「ありがとう」を「はっきり」と言うべきではないでしょうか。 「ありがとう」をいつも心から言う人は慈愛のこころに満ちた人、あるいは人間性豊かな人、つまり模範的なロータリアンです。 出来れば1日に20回でも30回でも言えるような人間でありたいものと思います。
<映画監督だった故大林宣彦さんの辞世の言葉>
「人は『ありがとう』の数だけ賢くなり
『ごめんなさい』の数だけ美しくなり
『さようなら』の数だけ愛を知る」
大林宣彦 辞世の言葉