第2回クラブフォーラム

第2274回例会(2022年11月7日)

「変化の時代のリーダーシップ」
札幌国際大学 大学院教授
有澤 恒夫 氏 卓話

 

第2回クラブフォーラムのご報告

「変化の時代のリーダーシップ」と題して、札幌国際大学大学院観光学研究科・観光学部観光ビジネス学科教授 有澤恒夫先生からご講話を頂きました。
有澤先生は26年間、総合酒類メーカーで勤務をされた後、高知工科大学、岡山大学で教職に付かれ、さらには苫小牧駒沢大学学長を勤め上げ、現在上記の立場で教鞭を取られておられます。専門分野はマネジメント、人的資源管理、キャリア教育で、主な研究テーマは「変化の時代のキャリア形成、地域活性化を担う人材の育成」で、実務から教育・研究まで幅広く経験されておられます。
先生ははじめに、過去、リーダーとして、現場で苦い経験を多く重ねて来た人間の話しだと思って聴いて欲しいと切り出しました。そして、理論が実践にすぐ当てはまるような簡単なものではないことも理解しているつもりですし、ここにおられる皆さんもそのことは、十分ご存知であられると思いますと述べられ講話が始まりました。今、人間と組織に対する大きな変化は、激変の時代であり、組織で成果を上げるにはそれを導くリーダーの資質が大きく関わって来ているとのことで、失敗も成功も実践での経験に優るものはないと話されました。外部の環境がダイナミックに変化している今、その最前線の現場で働く社員こそが、その変化をいち早く感じることが出来、その得た貴重な情報をリーダーが早め早めに汲み取り、次に活かすことが大切であろうとも仰いました。昨今、使命を果たさなければならない大企業が、コンプライアンス違反でその信頼を一瞬にして失ってしまうケースが見られ、改めて会社を導くリーダーシップの在り方を危惧しておられました。
そんな中、印象的な内容の一つとして、先日お亡くなりになられたエリザベス女王のお話しがあります。25歳の若さでイギリス連邦王国女王になられたエリザベス女王は、就任の時の挨拶で「私は国民に対してサーバント(servant)でありたい」と語ったと言います。「サーバント」とは英語で召使いの意味を持ち、リーダーとは真逆な言葉かも知れません。しかしメンバーを支えて奉仕する「サーバントリーダー」だったからこそ、女王は長きに渡り多くの人々から愛され、敬われる偉大なリーダーだったのでないかと教えてくださいました。環境は異なれど、この考えは我が札幌北ロータリークラブの本質に近いものと言っていいかも知れません。
最後に、おこがましい話しで申し訳ございませんが、混沌とする時代だからこそ、このサーバントリーダーシップの芽を少しでも皆で育て、変化を自分たちで主導していける集団であれればと思った次第です。
リーダーシップの肝を改めて気付かせてくださった有澤先生には、この紙面をお借りし、深く感謝し心からお礼を申し上げます。
以上、有澤先生の意を尽くせてはいないと思いますが、第2回クラブフォーラムでの貴重なお話しのまとめとさせて頂きます。有澤恒夫先生のこれからのご多幸とご活躍を心からお祈り申し上げ報告とさせて頂きます。お忙しい中、また限られたお時間の中、本当にありがとうございました。

札幌北ロータリークラブ 
会     長 蓑輪隆宏
社会奉仕委員長 大舘政弘