第2239回例会
第2239回例会(2021年11月15日)
「札幌市のいまと、今後について」
小田 昌博 会員 卓話
札幌市の人口は200万人を目前としているが、今後は緩やかな減少に入り、2040年では180万人と推計されている。合計特殊出生率は1.14人と東京都よりも悪く、道内の大学生の就職先も関東圏へ3,000名弱流出超過している状況であり、道内の地方都市との減少の仕方が異なっている。そのような中で、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致がもたらすものをお話しさせていただきたい。
来年2022年は札幌市制施行100周年、また1972年冬季オリンピックから50年の節目の年となる。コロナ禍前より、2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致についてはワークショップ等様々な議論をしてきているが、賛成・反対を今日ここで申し上げるのではなく、一度1972年のオリンピックを経験した人達の意見と、子ども達に夢を持ってもらえる機会だと捉える考え方、東京2020大会を観て、スポーツの素晴らしさを改めて感じた方など、多岐に考え方がある。
もう一つの観点は、札幌市としての再インフラ整備・都市のリニューアルもある。以下は2030年迄に事業を完成・供給をしていく予定である。
① 北札幌駅南口(北5西1・2)の再開発
② 北海道新幹線札幌延伸と札幌駅のリニューアル
③ 都心アクセス道路。現在の地下道路を札幌新道迄伸ばして高速とジョイントする国の事業
④ 丘珠空港の利活用として、防災機能強化を図るためには冬季にも離発着出来るための通年運航が必要であり、そのためには現在の滑走路の1500mから1800mへの延伸を検討中であるが、地元の理解を得ながら民間機の相互乗り入れのため、道外便を含めた路線の拡充も期待されている。
時間に限りがあるため、具体の内容ではなく大枠の話となってしまったが、1年生議員は政策面において少し間違っても謝れば許してもらえることもあるので、どんどん行政に意見していきたい。
このような時間をいただいた阿部弘副委員長に感謝を申し上げ、本日の卓話とさせていただきます。
ありがとうございました。
青山 雅彦 会員 卓話
ロイトン札幌で総支配人の業務を行っております。4月に入会させて頂きまして、本日は貴重なお時間を頂戴し有難うございます。
本日は少し自分の話と当社のお話とホテル業界のお話をさせて頂きたいと思います。
私は1971年生まれ大阪出身の50歳です。男3人兄弟の末っ子で、父親は私が小学校2年生の時にがんの為42歳で他界しました。そのため中学・高校は勉強よりアルバイト中心の学生時代でした。高校卒業後ホテルに就職しましたが、それ以降はすばらしい人々に恵まれて現在の地位で仕事をさせて頂いております。
続いて当社のお話を致します。当社は大和ハウスグループの大和リゾート株式会社と申します。当社の特徴は運営理念でも謳っているのですが、大切にしていることは
1番 従業員、2番 お取引先様、3番 お客様、というような従業員ファーストの考え方です。
もちろんこれにはきちんとした意味があります。まず従業員が1番というのは、お客様に接客をする従業員自身が会社に満足をしていなければお客様に最高のサービスが出来ないという考え方、そして2番がお取引先様というのは、お取引先様なしではホテルは成り立たない事を理解して、お取引先様とともに成長・発展するという考え方にあります。地域のお取引先様とWIN―WINの関係でホテルと地域でお客様に最高のおもてなしをするという考え方にあります。こういった考えの基に地域に根差したホテル運営を行っております。
続きまして最近のホテル業界のお話ですが、2013年以降訪日外国人が右肩上がりで増えており、そのため外資系のホテルも続々と日本に進出してきております。その外資系ホテルの考え方である宿泊料金を需要に応じて変動させる「レベニューマネジメント」が日本でも浸透し、札幌市内のホテル料金もその影響でどんどん高くなっていきました。その結果、ホテル業界の近年は宿泊人数も宿泊単価も上昇し好景気となっておりました。しかし、今回のコロナ禍で状況は一変しました。2019年7月と2021年7月の対比では稼働率が約60%ダウン、宿泊単価も40%ダウンと大打撃を受けております。ただし今年10月以降は緊急事態宣言も解除され、道や市からの助成金事業もあり、徐々に回復傾向になってきております。
まだまだ厳しい状況ではありますが、今後も地域に根差した経営を行って参ります。
ご清聴ありがとうございました。