第2156回例会

第2156回例会(2018年12月10日)

新会員卓話

「食品包装のはなし」
若狭博徳会員

皆さんこんにちは。入会させて頂き4か月余りが過ぎた若狭です。
新会員卓話という事で、どんな事をお話し申し上げたら良いのか分からず、姫野幹事にお伺いした所、「世界経済について」とのご意見を頂きました。世界経済と世界平和ほど私に似つかわしくないものは有りませんので、家業である食品におけるフィルムパッケージについてお話いたします。
パッケージの原点は、古来よりおにぎりを竹の皮にて包む事とされて来ております。
産業化されたのは戦後の昭和30年前後の様です。
私の父は、創業者としてこの仕事をスタートさせました。この時はまだ軽包装の類で、駄菓子、珍味、米、観光土産菓子、即席麺の外装等でした。未だ瓶や裸売り商材が沢山ございました。
現代における食文化の変化は、まさに急速なるものがございまして、安心、安全は言うに及ばず更なる付加価値として『鮮度』という保存性につきましても革新的に進歩してきました。
ひとつの例としてワイン、日本酒、ビール、醤油等は古くからガラス瓶に入っております。これはガラスが酸化を防ぐバリア材として機能しているからであります。
更には高防湿性としての機能が有る事により、水蒸気となっての蒸発作用を抑える事で褐変等を防ぐ等の効果が有ります。フレキシブル(軟質)フィルムにて同様の効果を求めた基材が20年程前に開発されました。それは、酸化ケイ素を真空釜にてフィルムに蒸着加工を施す事によりガラス瓶とほぼ同等のバリア性を有する基材として開発され、加工食品や魚卵を含む鮮魚、油脂分を含有する食品全般、真空包装やレトルト加工食品等、多岐に採用されております。
食文化の変化、嗜好の変化、鮮度に対する要求の高まり等、広がる、深まるニーズに対し包材設計も時代と共に変化して参りました。
これらの技術を用いる事により、商材における構成が劇的に変化をもたらした結果として、先代の築いた営業基盤が食文化の変化と共に衰退していくと共に、新たな食文化、物流、顧客の開発が進み、現在では件数別構成比約95%が新規得意先で成立しております。
弊社における世代交代を進めていく中で、私の新規営業活動の結果、殆どの得意先と方向性が取って代わる事が出来ましたので、現在は先代からの影響が殆ど無い事業展開が可能となり、構築されております従来からの基礎基盤に感謝しながら、新たな展開を広げております。
さて、これからの包装はどの様な変化をしていくのか?
昨今のメディアでは、世界的な問題として『マイクロプラスティック』が取り沙汰されております。
個人的にはプラスティックの比重からして海洋上に浮きやすい性質上、人目に付き易い理由から、問題になっていると考えております。
それ以上に、海底にはマイクロプラスティック以上の重金属が沈降しているのではないかと思っております。
しかしながら、だからと言ってこの諸問題に対し無視は出来ません。
プラスティック使用量の薄肉化や生分解スペックの採用など、研究と開発を業界全体で考えていかなければなりません。
高齢化社会に対して、更なる使い易さを主体とする利便性向上。
更には資源の枯渇化が囁かれる中、貴重に高価になりつつある水産資源等を、より付加価値を高められる包装形態の開発。
とりわけ非常に高い鮮度を1年以上キープ可能とするクオリティコントロール性と高強度、高バリア包材、更には包材より放出されるイオン効果による鮮度コントロール技術の開発により、世界中のマーケットにこの北海道の食材が求められ提供できる環境を確立していく事を目標としております。
最後に、食材の廃棄ロスの低減という問題。われわれの生活環境下で、見えない所での食材の廃棄処分量は相当数になっております。
衛生基準が引き上げられ、企業のマニュアル化とコンプライアンスからの規制等から現場では事務的に処理されております。
この相反する問題のコントロールとして、保存性向上、鮮度コントロール、個食化等これまで申し上げてきた要素を使い食品ロスを低減することにより、大きな経済効果が期待されるものと思います。
労働力の低下も含め廃棄ゴミを製造する為の労働量も低減されますし、処理に関わる労働量も低減されることによる合理化は必要と考えます。
皆さんにお願いです。なるべく処分するゴミを出さぬ様に様々な工夫と配慮をお願いしますと共に、残さず食べて頂きたく思います。
御清聴頂き有難うございました。

 

「自分の嫌なことを乗り越える きっかけは、何?」
プーワナット・スパープクン会員

プーワナット・スパープクンと申します。
バンコク出身で、札幌に住んで5年目です。
今日の卓話のテーマは「自分の嫌なことを乗り越えるきっかけは、何?」です。
僕は大学までに2つの嫌なことがありました。
○1つ目は、大学院にいくこと、
○2つ目は日本のサラリーマンになることです。
しかし、2つとも乗り越えることができました。
最初に、タイの大学を卒業して、日系の会社で働いていましたが、周りの同僚が日本語ペラペラで、とても憧れましたので、日本語能力をもっと上達させたいと思って、留学しようと思いましたが、「普通の日本語学校よりも大学院に行った方がいいんじゃない?」と、保証人である出村会員からアドバイスいただきました。
勉強がそんなに得意じゃない私は、本当にできるのかを心配しましたが、結局2年で大学院を卒業することができました。
そして、日本のサラリーマンになりたくないと思ったまま、今年会社を立ち上げました。
自分の会社で日本のサラリーマンらしい生活をしていますが、自分が好きなことを楽しくやっていますので、今は、嫌だったことを好きになりました。
嫌なことを頑張って乗り越えたおかげで、ロータリーの世界や、貴重な仕事やたくさんの良いことに出会うことができました。
ということで、「自分が嫌なことを体験してみて、もっと嫌だったら辞めてもいいけど、もしかしたら、その嫌なことにチャレンジすることで、好きになって、将来に繋がる新しい出会いが生まれ、人生が変わるかもしれません。」と考えております。
最後に、テーマに戻りますが、僕の嫌なことを乗り越えたきっかけは、ロータリーのおかげです。いつも感謝しております。
以上です。ありがとうございました。