第2134回例会
第2134回例会 (2018年5月14日)
在札幌米国総領事館 首席領事 レイチェル・ブルネット-チェン 氏
「次世代をつなぐ橋 :若者の交流を生み出すパワー」
皆様こんにちは。
本日は佐々木会長、阿部先生、そして札幌北ロータリークラブの皆様にお招き頂きましてありがとうございます。
本日は、「次世代をつなぐ橋:若者の交流を生み出すパワー」というテーマでお話させて頂きます。自分に留学経験がありますので、日本の若者にも同じ経験をして欲しいと思っています。
私は今から25年前、埼玉県深谷市に留学をしました。ロータリーの青少年交換プログラムでした。
私は、アメリカウィスコンシン州モンロー市という田舎町で生まれましたが、ウィスコンシン州は人間よりも牛が多いところで、スイスからの移民が開拓した場所でもある為、チーズ作りなどが盛んな町です。
何も知らず「東京に留学だ」と思い日本へ来た私でしたが、ホームステイをしたのは埼玉でねぎ畑を経営するホストファミリーでした。東京からはちょっと遠かったです。初めての日本では、深谷祭りでお神輿を担いだり、ホストファミリーとの七五三、初めての着物、富士山登頂など、沢山の思い出を作りました。
高校卒業後は、スタンフォード大学へ入学し、ペルーへも留学しました。ペルーでは現地在住の日本人移住者について研究し論文を仕上げました。その後更に横浜で日本語を勉強しましたが、その間何度もホストファミリーを訪ね深谷へ帰りました。
2002年アメリカ国務省に入省しました。台北、ワシントンDC、北京、東京、ロンドンと点々としました。東京にいた最初の一年は外務省に出向していたのですが、当時日本政府側としてAPECの調整を担当し、アメリカ相手に話をした時には複雑な気分でした。そして今現在は札幌で仕事をしています。
もしも、ロータリーでの留学経験が無かったら今の私は無く、外交官にもならなかったと思っています。留学当時の1年間は沢山のロータリアン、ホストファミリーの皆さんに迷惑を掛けお世話にもなりましたが、私の人生を変えた大きな1年間だったと思います。そして今、今度は私がいつの日かホストファミリーになりたい。と思っています。
今現在、残念な事に日本からアメリカへの留学生は様々な理由から毎年減少しています。英語を喋る自信が無い、というのも一つの理由です。ただ、私自身も最初は日本語が出来ませんでしたし、自信もありませんでしたので、日本の若者にも勇気を持って飛び出して欲しいと思っています。
アンケート調査でもグローバルな人材の育成に関しては、・留学させた方がいい ・英語教育強化すべき ・奨学金が必要 など、多くの皆さんが思っている様ですが、日本には将来、自分が活躍できると思っている若者が少ないのが現状です。そんな若者の為にロータリーが出来る1番重要なことは、若者に自信を持たせてあげることではないでしょうか。それこそが、ロータリアンの皆様の使命だと思っております。
本日、皆様にお会い出来たことを光栄に思い感謝しております。ありがとうございました。
<<一問一答>>
Q:留学当時の自分の気持ちや家族の反応はいかがでしたか?
A:家族は最初「留学なんていったい幾らかかるの?」とお金の心配をしてました。そんな両親も10年前に初めて日本を訪れ、当時のホストファミリーに会い、母は泣きながら感謝を伝えていました。きっと凄く娘の事を心配していたんでしょうね。
Q:なぜ、留学地に日本を選んだのですか?
A:募集に遅れて応募したので、日本、ポーランド、南アフリカしか残っていなかった、のが本当のところですが、日本語は難しいけど私は迷わずに日本を選びました。
~要約 :林 里紅 会員~